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2016.02.01

パノラマ動画カメラ

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パノラマ動画専用カメラの出現 当社ではパノラマ動画の撮影には、GoProというアクションカメラを6台使用した撮影機材を用いて撮影しています。この撮影手法では、完成動画の解像度が高くなるメリットはあるものの、6つの動画ファイルをパノラマ合成するという手間がかかるのも事実です。パノラマ動画が人気が高まる昨今、いよいよハードウェアで撮影からパノラマ合成までしてくれる、パノラマ動画カメラの発表が相次いでいます。ここでは個人的な備忘録の意味も込めて、パノラマ動画専用カメラの概要をまとめておきたいと思います。 追記:2014年10月29日にTHETAを追加。 追記:2014年12月16日にSP360を追加。 追記:2015年1月6日にALLIE、Project Beyondを追加。 RICOH THETA m15 2014年11月14日に発売が決定し、開発者向けのAPI/SDKの公開も決まっているのが、RICOH THETA m15です。詳細については、「動画に対応したRICOH THETA m15 (第2世代)新発売」としてブログ記事を記載しましたが、他のパノラマ動画カメラに先駆けての発売や、個人利用としては実用レベルである画質など、他の製品と比較して1,2歩先を行っているでしょう。 ・スペック:カメラは2つ、各約180度(魚眼)の視野角。 ・発売時期:2014年11月14日 ・価格:3.5万円 ・動画解像度:最大 1920p/15fps ・大きさ・重さ:42mm(幅)×129mm(高さ)×22.8mm(17.4mm※4)(奥行き)・約95g ・THETA (開発会社:日本)の詳細ページはこちら。 KODAK PIXPRO SP360 KODAK PIXPRO SP360 は11月21日に KODAK(販売代理店:マスプロ電工)から発売された手のひらサイズのアクションカム。最大の特徴はその画角と付属ソフトの性能です。F2.8の明るい単焦点レンズを備え、FullHD 360°×214°の全方位視野での撮影が可能です。Wi-Fi経由でPCにデータが転送できることに加え、iOSおよびAndroid用のアプリからもコントロールが可能です。「防水ハウジング」「自転車用ヘルメットストラップマウント」など多様なアクセサリーも嬉しいですね。 ・スペック:カメラは1つ、水平方向360度、垂直方向214度。耐衝撃、防滴、防塵、耐低温。 ・発売時期:2014年11月発売済み。 ・価格:オープン価格(マスプロWebサイトでは税別41.500円) ・動画解像度:Full HD撮影1920×1080:30fps ・大きさ・重さ:手のひらサイズで103グラム ・SP360(販売代理店:日本)の詳細ページはこちら Bublcam Bublcamはここに掲載しているカメラの中では最も早く発売が予定されており、先行者利益のようなものを獲得できる可能性が高そうです。球形のデザインは洗練されており、スマホアプリ、開発者向けのSDKやAPIの提供、クラウドでの保存等にも対応予定で、一般ユーザから開発者など幅広いユーザに受け入れられそうです。BublcamのKickstarterでは目標額10万カナダドルに対して、約35万ドルの獲得が決定してますね。 ・スペック:カメラは4つ、各190度の視野角。 ・発売時期:2014年9-10月 ・価格:579 米ドル ・動画解像度:最大 1080p/15fps ・大きさ・重さ:半径4cmの球状・280グラム ・Bublcam (開発会社:カナダ)の詳細ページはこちら。 360cam 360camを開発しているのはフランスのGiroptic社で、この会社は360camの前にはGirocamというパノラマ静止画カメラを開発・販売していました。実は弊社も1台所有しており、パノラマ静止画の合成処理がハードウェア内で出来ることから重宝しておりました。パノラマに関する実績という意味では360camは安心かと思っています。また、360camのKickstarterでは目標額15万ドルに対して、すでに110万ドル(2014年6月現在)の獲得を達成しており、開発に必要な資金力も十分なのかもしれません。アクセサリーも水中用レンズキャップや、ストリーミング用付属デバイス、スマホアプリ等充実しており、もっとも高機能と言えるでしょう。 ・スペック:カメラは3つ、各185度の視野角、合計360度x300度。防水。 ・発売時期:2014年11月 ・価格:249 米ドル(アクセサリー無し/Early Bird版)から ・動画解像度:2048×1024/30fps ・大きさ・重さ:手のひらサイズで180グラム ・360cam (開発会社:フランス)の詳細ページはこちら。 CENTR CENTRの開発は元アップルのエンジニアが中心となっているそうです。円筒形のデザインが示す通り、水平方向は360度カバーできますが、天頂と底面は撮影できないようです。スマホアプリからCENTRの各種設定も変えられるようになるようです。CENTRのKickstarterでは、目標額90万ドルに対して60万ドルしか集まらず、こちらでの資金獲得は失敗に終わってしまったのが残念でした。 ・スペック:カメラは4つ、各110度の視野角 ・発売時期:2015年2月 ・価格:399 米ドル ・動画解像度:6900×1080/30fps ・大きさ・重さ:半径約3.5cmの薄い円筒状・250g ・CENTR (開発会社:アメリカ)の詳細ページはこちら。 360fly 360flyは、米Voxx社とEyeSee360社が共同開発したパノラマビデオアクションカメラ。特徴としては他のパノラマカメラと異なり広角魚眼レンズを1つだけ搭載したカメラです。またサイズもテニスボールサイズ大なので、他のパノラマカメラと比較すると、小さめであることも特徴的です。使用用途はヘルメット上部につけてのスポーツや、テーブルの中央に置いてパーティーの撮影など一般消費者向けです。 ・スペック:カメラは1つ。合計360度✕240度 ・発売時期:2014年末 ・価格:約400 米ドル(予想) ・動画解像度:不明 ・大きさ・重さ:手の平サイズの球体・120g ・360fly(開発会社:アメリカ)の詳細ページはこちら。 Ladybug5 Ladybug5はカナダ、バンクーバーにあるPointGrey社の製品で、同社の全方位パノラマデジタルカメラLadybug3の後続機です。五角形で縦長のボディに6台のレンズが付き、上方含めた360度の領域をカバーします。値段帯などからハイエンド向けの製品で、消費者というより企業向けの製品と言えます。 ・スペック:カメラは6つ。合計360度✕180度 ・発売時期:発売済み ・価格:約20,000 米ドル ・動画解像度:2448×2048/10fps ・大きさ・重さ:五角柱型・3000g ・Ladybug5 (開発会社:カナダ)の詳細ページはこちら。 iSTAR iSTARは、イギリスのNCTech社の製品で、本体に4つのカメラとレンズが配置され、本体内部でパノラマが合成される。いくつかモデルがあり、iSTAR Fusionでは静止画のみ、iSTAR Pulsarでは動画撮影機能に加え、PCやモバイルへのライブストリーミング機能もつく。タブレットなどからのWi-Fi操作等も可能。Ladybugシリーズと比較すると少々安価ですが、こちらもハイエンドで企業向けの製品であると言えます。 ・スペック:カメラは4つ、各137度の視野角。合計360度✕275度 ・発売時期:発売済み ・価格:7,995 / 13,495 米ドル ・動画解像度:10,000×5,000px±7% ・大きさ・重さ:約10㎝の立方体型・1400g ・iSTAR(開発会社:イギリス)の詳細ページはこちら。 ALLIE ALLIEは米国にあるIC Real Texh社の製品で、水平方向360度かつ垂直方向360度を撮影できるパノラマビデオカメラです。WiFi機能を搭載しており、専用アプリ上で撮影した映像をiPadやiPhone・Androidなどで閲覧する事ができます。ラインナップはプロ用/ホーム用/ホビー用の3種類に分かれているので、目的に沿ったデバイスを選定できます。 ・スペック : カメラ2つ、水平方向360度、垂直方向360度、8倍デジタルズーム(Pro)、4倍デジタルズーム(Home/Play)、ifi機能、撮影時間2時間(SD使用時) ・発売時期 : ALLIE Pro(2015年3月)、ALLIE...

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2016.02.01

RICOH THETAの現状と未来(後編)

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「RICOH THETAの現状と未来」シリーズも今回が最後のエントリーとなりました。前編では、RICOH THETAの本質的な価値と方向性を探り、続く中編では、ユーザーアンケートをヒントに開発ロードマップを予測してみました。 そして、後編では弊社の実験的な取り組みとして開発した試作品、「Raspberry Piを利用したRICOH THETA遠隔制御システム」(以下、プロトタイプ)についてご紹介したいと思います。RICOH THETAの「未来」を少しでも感じられるきっかけになれば幸いです。 プロトタイプの狙い 前編でも少し触れましたが、近い時期にリコー社から公式SDK/APIがリリースされる可能性は高いと考えており、今後は、RICOH THETAの可能性を最大限に引き出すようなサードパティー製のアプリケーションが数多く開発されるのではないかと予測しています。 弊社は2年以上前からバーチャルツアーコンテンツを簡単に制作・公開ができるクラウドプラットフォーム「PanoPlaza」を運営しており、まさにRICOH THETAのような撮影デバイスの登場を長らく待ち望んでいました。RICOH THETAのAPIが利用できるようになれば、例えば、撮影の制御から公開までのほぼ全ての制作工程をスマートフォン上で完結させるといったことも実現できるようになるでしょう。 ただ、これだけでは既存のプラットフォームとより密に連携できるようになったに過ぎません。もちろん、これも価値のある取り組みですが、もっと新しい可能性にチャレンジしてみようということで企画を進めたところ、「定期的にRICOH THETAで自動撮影をさせて、その空間の変化が時系列順に見れたら面白いのでは」という発想に行き着きました。外部から制御が可能で、かつ撮影から合成処理までを実行できるRICOH THETAだからこそ、初めて実現可能なアイディアと言えます。そして、その実装のために採用されたのが、Raspberry Piです。 Raspberry Piとは Raspberry Piを一言で説明すると、「安価で小型なLinux PC」です。 一見するとPCには全く見えませんが、実はこの名刺サイズのコンパクトな基板の上には、OS、CPU/GPU、メモリ、USBポート、SDメモリカード、イーサネット、HDMIといった、一般的なPCの標準装備とほぼ変わらない技術的要素が詰め込まれています。使い方によっては、ソフトウェアの実行結果をハードウェアに伝えることができるため、Raspberry Piはインターネットと現実世界の橋渡し役を果たすコンピューターと言えます。 Raspberry Pi(モデルB)(写真:Raspberry Pi公式サイト)   もともとは、基本的なコンピューター・サイエンスの教育促進を目的としてイギリスで始まったプロジェクトということもあり、趣味の電子工作から他のハードウェアとの本格的な連携まで、非常に幅広い層と用途で利用されています。発売開始からちょうど2年が経った現在では、全世界の出荷台数が200万台を超えるほどの規模にまで成長しています。低コストながら小型で高機能さを両立していることが人気の秘密のようです。 プロトタイプの概要 プロトタイプの概要を図にすると以下のようになります。処理の流れを順を追って説明します。 まず、PCとRaspberry Piは有線LANで接続されています。Raspbbery Piには、Pythonで書かれたRICOH THETAを制御するスクリプトが配置されており、PCからこのスクリプトを動作させることで、RICOH THETAに指示を与えています。 一般的な利用方法では、スマートフォンを使ってWi-Fi経由でRICOH THETAに接続し、PTP(Picture Transfer Protocol)と呼ばれる画像転送プロトコルに乗せて、撮影した画像をスマートフォンに送っています。プロトタイプでは、このスマートフォンの役割をRaspberry Piが担うことになります。 前述の制御スクリプトは、「1分間に1回の周期でシャッターを切って、画像を取得する」という指示をRICOH THETAに送っており、撮影された画像は適宜Raspberry Pi上のSDカードに保存されていきます。これら画像を同一ネットワーク上にあるPCからブラウザを通じて閲覧すると、次々と更新されていくパノラマコンテンツを体験することができるという仕組みです。 なお、ブラウザでの閲覧では、WebGLを扱いやすくするJavaScriptライブラリ、Three.jsを利用しています。このライブラリを利用することで、SDカード内に保存されたパノラマ写真をいちいちエクレクタンギュラー形式からキューブ形式へ変換処理するのではなく、画像を読み込むタイミングで都度ブラウザ側で処理して表示させることができます。 画面スクリーンショット(画面左側のリンクから撮影時間を選択可能)   制御スクリプトの作成に当たっては、MobileHackerz様のブログやtako2様の公開ソースコードを参考にさせて頂きました。有難うございます! プロトタイプのユースケース さて、プロトタイプは完成したものの、肝心の用途についてはまだまだ手探りの状態です。今回作成したプロトタイプの特徴は「遠く離れた空間の360度パノラマ写真を必要なタイミングでリアルタイムに取得できる」ことなので、これを軸に思いついたユースケースを幾つかリストアップしてみました。 <セキュリティ> 動体検知センサーと連動し、空間内に動きがあった瞬間のみパノラマ写真を撮影。管理者に閲覧用URLをメールで通知。 <ライブカメラ> 自然・天候・交通状況などの観測用ライブカメラとして設置し、定期的に撮影したパノラマ写真をほぼリアルタイムにネット上で配信。 <業務システム> BIMやCAFM(※)における付加的・補足的な画像データとしてパノラマ写真を撮影し、システム内に取り込む。工事の進捗状況の管理もしくは空間情報のアーカイブとして利用。 ※ BIM:Building Information Modeling、建築物の3次元モデルに様々な属性情報を付加することで、業務効率化を推進するワークフロー / CAFM:Computer Aided Facility Management、コンピューターを活用した施設管理支援システム   実際には、RICOH THETAはスタンバイ状態がしばらく続くと自動で電源オフになってしまったり、USB接続による充電中は撮影モードにできないなど、幾つか解決すべき課題はありますが、アイディア次第で可能性は更に広がりそうです。 もし、RICOH THETAを活用したソリューションにご興味・ご感心をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にこちらよりご連絡ください! » RICOH THETAの現状と未来(前編) » RICOH THETAの現状と未来(中編)

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2016.02.01

Kolor社のソフトウェア説明会

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先日、パノラマ用ソフトウェアを制作・販売しているKolor社(仏)が来日し ソフトウェアアップデートに関する説明会が行われました。 弊社ではモーションVRを使用したサービスを始めた事もあり、特に動画編集が どのように変化するのか関心を抱きながら出席してきました。 以下、説明会の対象ソフトウェアの中から弊社でも使用している「Autopana Giga」「autopano Video Pro」に ついて、どのような機能が追加され、どういった使い方ができるのか記事にしたいと思います。 「Autopana Giga 3.5」 まずは静止画パノラマを生成するソフトの「Autopana Giga 3.5」です。 今回のアップデートにより画像認識機能がアップし、コントロールポイントの検出が向上されています。また、異なる焦点距離 や露出、魚眼レンズや望遠レンズなど様々なレンズが混在した画像でもパノラマの合成が可能になりました。 この機能追加によりあまり高画質を求めなくてもよい変化が乏しい部分(一色で出来ている壁や青空など)は魚眼レンズで 撮影しておき、その一方で細部まで見せたい部分については望遠レンズで撮影するなど、撮影する場所に 応じてレンズを使い分けパノラマを生成する事ができます。Kolor社からは、各画像枚のオーバーラップは最低2割程度を推奨しているとの事で、このオーバーラップ部を考慮 しながら撮影することになります。もちろんノーダルポイントは統一しないといけませんが。 その他にも露出に関する調整機能やマスク機能が最新されており、使い勝手がかなり向上されている様にうかがえました。 「autopano Video Pro 1.5」 続いて数台のカメラで撮影した動画をパノラマ動画として生成するソフト「autopano Video Pro」についてです。 最新版 1.5が近日中に公開されます。その中の新機能として特に関心を抱いたのは「1つの動画内で所定のフレーム間を指定し、そのフレーム間に対して 水平調整が可能となる」という機能です。 本機能が追加される事によって、撮影途中にカメラの位置を傾けてしまった場合でも、傾けた箇所から再度、水平調整を行う事で、カメラの位置を傾ける前の動画と水平状態を合わせる事ができます。 そのため、1つの動画として常に水平に撮影されていたかの様に編集する事ができます。 また、スタビライズ機能が追加され多少の揺れはソフト側で吸収してくれる様です。 歩きながらの撮影などでは、どうしても揺れが出てしまうので、どの程度の揺れを吸収してくれるか期待が高まるところです。 正式リリースを心待ちにしたいと思います。 説明会の最後に参加者全員対象の抽選会が行われました。商品はKolor社が販売しているパノラマ写真集の「Panobook」。 結果は、残念ながら当選する事は出来ませんでしたが、Kolor社のパノラマソフトウェアの機能が豊富になってきており、ますます 勢いづいているのを実感した説明会でした。

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2016.02.01

RICOH THETAの現状と未来(中編)

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「RICOH THETAの現状と未来」と題した本シリーズの前編では、従来のパノラマ写真撮影手法との比較からRICOH THETAの本質的な価値を探るとともに、今後重要になるであろう開発者コミュニティ戦略ついて考察しました。 続く中編では、もう一歩踏み込んだ開発ロードマップを予測してみたいと思います。また、現在弊社ではRICOH THETAを活用した実験的なシステムを開発しており、こちらについては次回の後編でご紹介したいと思います。 ユーザーアンケートに隠されたヒント 販売開始から数ヶ月が経ち、恐らくリコーの関係者の方々も、これまでの販売状況やユーザーの反応などを見ながら、中長期的な開発ロードマップを検討されていることかと思います。もちろん、将来的な製品計画は企業秘密であり、一般ユーザーにとっては知るよしもありません。しかし、そのヒントを意外なところで見つけることができました。それは、「ユーザーアンケート」です。 このアンケートは、昨年12月下旬から1ヶ月ほどかけてRICOH THETA購入者を対象として実施されたもので、現在では既に終了しており、内容を見ることはできません。ウェブアンケートとしては、かなりのボリュームの設問数・選択肢から構成されており、私自身は回答に20分ほどかかってしまいました。 このアンケートを7割ほど進めた第30問目に次のような興味深い設問がありました。   RICOH THETAに今後以下の機能・要素が取り込まれたとしたら、それはあたなにとってどの程度魅力的ですか。   ※クリックして画像を拡大表示できます   この設問に対する回答の選択肢は合計で18個も用意されており、いずれも具体的な「機能・要素」ばかりです。これらは「撮影機能」、「画像閲覧・加工機能」、「共有機能」、「その他」の4つに分類されており、最も注目すべき「撮影機能」カテゴリーでは、上位5つに以下の機能が挙げられています。 ・ 動画撮影(視聴者はダウンロードして視聴できる) ・ ライブストリーミング撮影(視聴者はリアルタイムで視聴できる) ・ 高解像度 ・ 音声付き撮影(静止画) ・ 防水 上位に挙げられた機能ほど、リコー社として検討度が深い、もしくは実現性が高いことを意味するわけでは決してありませんが、少なくともリコー社自身が行ったアンケートであることから、RICOH THETAの今後の展開を予測する上では非常に参考になるヒントと言えます。 ニーズが高まる動画撮影、3つの対応パターン 最近では、360度全方位パノラマ動画がウェブメディアで取り上げられたりアプリとして配信されるなど、一般の方が目にする機会も徐々に増えてきているように感じます。こうした背景も踏まえると、動画撮影はカメラとして順当な進化の路線と言えるでしょう。事実、先月米国ラスベガスで開催された世界最大の家電イベントCES2014では、RICOH THETAのように極めて小型で、かつパノラマ動画撮影が可能なデバイスが幾つか出展されていました。 CES2014で出展されていたパノラマ動画撮影デバイス(写真:SLASHGEAR)   RICOH THETAでは、本体両面にある2つの魚眼レンズから撮影された静止画を、ハードウェア内部で1枚のパノラマ写真に合成する処理を行っています。恐らく動画撮影でもこれと似たような合成処理が行われることになると思いますが、一般的には1枚の静止画よりも、1秒間に何十フレームもある動画を生成するほうが、必要とされる処理能力は高くなると考えられます。 そこで、仮にRICOH THETAに動画撮影機能が加わる場合、どのような実現パターンがあるのか3つほど考えてみました。 ■パターン1:ファームウェアアップデートで実現 現行ハードウェアのまま、ファームウェアをアップデートすることで機能を追加するパターンです。ソフトウェア的なアプローチでハードウェアの性能をどこまで引き出すことができるのかが鍵になりそうですが、録画時間は最大で数十秒までといった何かしら制約が生じる可能性はありそうです。むしろ録画時間に制限を設けたほうが、Vine(最大6秒までのループ動画撮影アプリ)のようにコンテンツとして消費されやすい尺に収まるので、ソーシャルメディア上で話題になりやすいかもしれませんね。 ■パターン2:PCとの組み合わせで実現 このパターンは、静止画のように撮影から合成までの処理をRICOH THETAの内部で完結させるのではなく、例えばRICOH THETAでは撮影のみを行い、その後撮影した素材をPCに取り込んでから合成処理を行うといったものです。動画撮影もそうですが、ライブストリーミング撮影は広い帯域幅も求められるので、有線LANに接続できるPCは必須になりそうです。 ■パターン3:上位機種で実現 現行のRICOH THETAよりも高いハードウェアスペックを備えた上位機種で実現するパターンです。静止画の高解像度化や動画撮影機能などの点で現行機と差別化しつつ、ハイエンドな製品ラインナップを立ち上げるイメージですね。更にニッチなマーケットになってしまうかもしれませんが、ハイアマチュアの方やパノラマクリエイターの方にはウケそうです。 実は既に用意されているマイク ご存知の方もいらっしゃると思いますが、実はRICOH THETAには既にマイクが用意されています。本体上部にある穴がそうです。現時点では、マイクとして機能していませんが、こちらはファームウェアに録音機能を盛り込むことで、(ニーズがあれば)比較的早期に実現される可能性が高そうです。 縦長の溝の両端にある穴がマイク   SumsungのGalaxy S4に「サウンド&ショット」という名称で、写真を撮影しながら周囲の音を最大9秒間録音できるという機能がありましたが、これと似たようなイメージになりそうです。仮にこの機能が実現すれば、全方位パノラマ写真に音声が加わることで、さらに空間の再現をより臨場感をもって楽しめますね。 意外と面白いかもしれないエフェクト機能 個人的に興味を惹かれたのは、「エフェクト・アートフィルタ」の機能です。実は、以前に「もしパノラマ写真にInstagram風のフィルタを掛けてみたらどうなるんだろう?」と思い、実験してみたことがありました。 実際に作成したパノラマ写真はこちらからご覧頂けます。最初に表示されるパノラマ写真はオリジナルのもので、画面中央の矢印ボタンをクリックしていただくと、様々なテイストのフィルタに切り替わっていきます。 いずれも、同じカフェの同じ地点からのパノラマ写真ですが、フィルタを変えるだけで、かなり雰囲気が変わってきます。パノラマ写真は良くも悪くも「その場の空間をありのままに伝える」ことに向いた表現手法ですが、このようなアートフィルタを取り入れることで、ユーザーがちょっとしたクリエイティビティーを写真に付加して楽しめるのとともに、たとえ何気ない日常生活のいちシーンであっても、受け手側の印象もだいぶ変わってくると思います。   皆さんはどの機能や要素が一番気になりましたか? 今回はユーザーアンケートをヒントに、開発ロードマップについてあれこれ勝手に予測してみましたが、いずれにせよ今後の展開が楽しみであることには変わりはないですね。次回の後編では、弊社独自の取り組みについてご紹介します! » RICOH THETAの現状と未来(前編) » RICOH THETAの現状と未来(後編)

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2016.02.01

RICOH THETAの現状と未来(前編)

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昨年10月、リコー社から満を持してRICOH THETAが発売されました。 実はリコー社が全方位パノラマ写真撮影カメラの研究開発を進めていることは販売以前から知られており、CES2013で展示されたプロトタイプや、「広角レンズおよび全天球型撮像装置」という特許の内容などから、その姿を少しだけ垣間見ることができました。 しかし、実際に発表されたRICOH THETAは、プロトタイプからは想像できないほどスマートに洗練されたデジタルガジェットでした。   先に結論めいたことを言うと、賛否両論ありますが、RICOH THETAは「全く新しいジャンルにおいて初めてローンチされたプロダクト」としては、非常に高いレベルの完成度に達していると思います。消費者視点から「買いか否か」を論評するレビュー記事は他のサイトにお任せして、本ブログでは、パノラマ業界の端くれとして少し違った視点からRICOH THETAについて深堀りしていきたいと考えています。 今回の前編では、従来のパノラマ写真の撮影手法との比較において、改めてRICOH THETA登場の意味付けを行うとともに、今後の方向性を考察します。続く後編では、もう一歩踏み込んだRICOH THETAの開発ロードマップ予測と、弊社の取り組みをご紹介する予定です。 手間と画質のバランスが取れたパノラマカメラ やはり最大の特徴は、全方位パノラマ写真の撮影を極めてシンプルかつ瞬間的に行える点に尽きます。 これまでのパノラマ写真は、かける手間(コスト)と得られる画質(クオリティ)が極端にトレードオフの関係にありました。 下図は、本ブログでもご紹介したことがあるパノラマ写真撮影手法を改めてマッピングしたものです。   例えば、弊社の基本的な制作フローでは、まず一眼レフカメラと専用雲台と三脚を組み立て、60度づつ角度を変えながら18枚HDR撮影し、更にPCに取り込んで、専用ソフトウェアで半手動でスティッチング処理をする…という非常に手間のかかる手法を採用しています。もちろんこれはお客様へのご納品を前提とした手法であるため用途が若干異なりますし、特に画質の面では一概に比較はできませんが、上述したような煩雑な作業がボタン一つで完了してしまうのは、既存の常識を覆す素晴らしいイノベーションと言えるでしょう。過去にも同様のコンセプトのカメラが登場しましたが、携帯性や操作性など、あらゆる点においてそれらを遥かに凌いでいます。 また、ソフトウェア面においても、スマートフォンアプリとのシームレスな連携は注目すべき点です。 RICOH THETAでは、iPhoneまたはAndroidに専用アプリをダウンロードすることで、Wi-Fiを経由してリモートでシャッターを切ることができますし、逆にRICOH THETA内部に保存されたパノラマ写真をスマートフォン側に転送して、専用ビューワーで閲覧することも可能です。   RICOH THETA for iPhone(写真:TRIAND)   いまや、スマートフォンは日常生活における、あらゆるネット行動の起点となっています。このスマートフォンとRICOH THETAというハードウェアを、アプリケーションを通じて上手くつなぎ合わせることで、より豊かで自由度の高いユーザー体験を実現していると言えるでしょう。 開発者向け戦略が成功の鍵? 米国などから先行して販売が始まりましたが、まだ海外ではそれほど認知が進んでいないように感じます。対して、後発で販売が決まった日本では予想以上の反響があったようです。当初のプランでは、「表現志向の強いクリエイター」がRICOH THETAのアーリーアダプター層になると考えられていたそうですが、実際にマーケットに出してみると、ソフトウェア開発者など「ギークな人々」から多くの注目を集めているようです。RICOH THETAの様々なハック報告を拝見する限り、むしろ彼らから見た「プロダクトの不完全さ」がエンジニア心を掴んだのかもしれませんね。   RICOH THETAファンミーティングの様子(写真:デジカメWatch)   このようなマーケットの反応を踏まえると、それほど遠くない時期にリコー社から公式のSDK/APIが公開される可能性は高いのではないでしょうか。事実、Photosynth(パノラマ写真が撮影できるアプリ)でも、専用アプリと同様にRICOH THETAを制御できることから、非公開APIが存在すると考えて間違いないでしょう。 ウェブサービスの成長戦略において公開SDK/APIを通じた開発者コミュニティの形成は非常に重要な要素となりつつありますが、ハードウェアビジネスでも同様のことが言えると思います。例えば、マイクロソフト社のKinectは、販売直後にあっという間に開発者たちにハックされ、ゲーム以外の様々な用途のアプリケーションが生み出されました。マイクロソフトは当初ハッキングに対して否定的な見解を示していましたが、すぐに容認する姿勢に転じます。これが功を奏したのか、Kinectアプリケーションの開発者コミュニティーは一時的にかなりの盛り上がりを見せました。 RICOH THETAも開発者を上手く惹き込むことで、プロダクト本体はシンプルさを維持したまま、サードパーティー製の多種多様なパノラマ関連アプリケーションやソリューションが登場することをぜひ期待したいところです。 » RICOH THETAの現状と未来(中編) » RICOH THETAの現状と未来(後編)

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2016.02.01

パノラマ撮影キット、Pixeet レビュー(後編)

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前回のブログでは、先日購入したパノラマ撮影キット、Pixeetの基本的な操作方法についてレビューをまとめてみました。後編では、他の手法で撮影したパノラマ写真との画質比較や、実際のビジネスでどのように活用できそうか、私なりのアイディアをまとめてみたいと思います。 画質はそれほど悪くない Pixeetのサーバー上で合成されたパノラマ写真のサイズは2,048ピクセル × 1024ピクセルなので、横2:縦1のエクレクタンギュラー形式です。アプリの設定画面から、iPhoneのカメラロール内にJPEGファイルとして書き出すことができます。 パノラマ写真の上下に帯のように伸びているのは、Pixeetのロゴマークですね。魚眼レンズの死角になっている天地の部分に自動的にロゴマークを挿入する処理を行なっているようです。 パノラマ写真の画質比較 過去にブログで一眼レフ+魚眼レンズとGirocamのパノラマ写真比較を行ったことがありますが、今回も同様の地点からPixeetで撮影してみました。(当然、前回のパノラマ写真は今回とは異なる天候条件下で撮影していますので、あくまで参考としてご覧下さい) Pixeetで撮影したパノラマ写真 前回のレビューの通り、撮影は非常に簡単。その反面、魚眼レンズを通しての撮影となるため、どうしても全体的にノイズが入ってしまっていますね。PCからの閲覧を前提とした、高品質なバーチャルツアーコンテンツの利用には向いていませんが、タブレットやスマートフォンで、その空間のおおよその雰囲気を把握するには十分使えそうです。 Photosynthで撮影したパノラマ写真 今回は新たにPhotosynthも比較対象に加えてみました。PhotosynthはMicrosoft Researchの画像処理技術をベースに開発されたiPhoneアプリで、4,096ピクセル×2,048ピクセルの高画質なパノラマ写真を作ることができます。しかし、上下左右360度を全てカバーしようとなると、合計で30回以上自動認識による撮影(またはタップ)を行う必要があるので、撮影が結構大変です。。また、自動認識が必ずしも上手くいかない場合もあります。 (参考)Girocamで撮影したパノラマ写真 (参考)一眼レフ+魚眼レンズで撮影したパノラマ写真 実ビジネスでの活用方法 例えば、不動産物件紹介などの用途であれば、Pixeetで撮影したパノラマ写真は十分なクオリティだと言えます。また、撮影コストも1地点当たり1分程度・4回の撮影なので、業務に支障を来たすほど労力・時間がかかるわけではなく、決して大量物件の撮影も不可能ではないと思います。 事実、Pixeetのウェブサイト上では、不動産の物件紹介用途と思われるコンテンツが数多く公開されているので、海外では既にこういった利用方法のユーザーが少しずつ増えているのかもしれません。(事実、不動産のマーケティングツールとしてPixeetの活用を勧めるブログがありました) ここからは私個人の妄想になりますが、もし大規模な不動産ポータルサイトで本格的に導入する場合は、やはり物件データベースと連携した専用アプリの開発が必要になるのではないかと思います。と言うのも、この専用アプリを営業マンに配布すれば、パノラマ写真撮影作業、完成したパノラマコンテンツと物件の紐付け作業、公開処理までをほぼ同時に行えるため、その後の業務プロセスを大幅に簡略化することができるからです。更に、先日発表させて頂いたパノラマコンテンツ制作・運用のための専用プラットフォーム「PanoPlaza for Portal」と組み合せることで、パノラマ写真が撮影できるクライアントサイドの専用アプリから、バックエンドサイドのパノラマコンテンツ管理システムまでをエンドツーエンドでご提供することができます。 これまでにも、パノラマコンテンツは不動産サイトでの利用に適していると言われてきましたが、パノラマ写真の撮影コストや技術的な難易度の高さから、なかなか大規模な導入までには至っていません。しかし、これらの課題が徐々に解決されつつある今、リッチコンテンツな次世代不動産ポータルサイトが誕生する日も近いかもしれませんね。

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2016.02.01

パノラマ撮影キット、Pixeet レビュー(前編)

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画質と手間のバランスがとれたPixeet 今回は、フランスのPixeet社が提供するパノラマ撮影キットおよび専用アプリをご紹介したいと思います(Girocamもそうですが、フランスも含めてヨーロッパにはパノラマやカメラデバイスの製造・開発に取り組んでいるベンチャー企業が多いイメージがあります)。以前からその存在は何となく知っていたのですが、ふとしたきっかけで改めてサイトを見たところ、以下2点に強い興味を持ちました。 1. 魚眼レンズにも関わらず、従来に比べて画質が良い 2. 4ショットの撮影で360度パノラマ写真ができる これまでにもiPhoneに装着するタイプの魚眼レンズを幾つか試してみたところがありますが、どれも画質がイマイチ。ワンショットミラーはもっと残念な感じです。ところが、Pixeetのデモコンテンツを見る限り、結構、いや、かなりきれいに撮れている。これが興味を持った最も大きな理由です。 しかし、仮に画質が良くとも、それに比例して手間がかかってしまってはあまり意味がありません。この点についても、Pixeetは4回の撮影で全方位がカバーできるとのこと。これは期待できるかも?と思い、早速、社長に頼み込んで発注してもらうことになりました。 キットが到着! 注文から2日後にはキットが到着。決済はPayPalですが、発送は国内からなので、早いですね。主な中身はケースと魚眼レンズの2つ(写真左)。 実際にiPhoneに装着してみるとこんな感じですね(写真右)。魚眼レンズは、ケースとマグネットで接着する仕組みになっています。 早速、試し撮り Step1 : 撮影の準備 App StoreからダウンロードしたPixeet専用アプリ(無料)を起動します。そう、実はこのアプリこそが肝心で、最適化された魚眼レンズと組み合わせて使用することで、少ない撮影回数で、より高画質なパノラマ写真を作成することを可能にしているのです。このアプリを立ち上げると、メニュー画面が表示されます。ここから「新規パノラマ」、「4ショット 球状パノラマ作成」へと進みます。最後に保存するアルバムを選ぶと、いよいよ撮影画面になります。 Step2 : 4回の撮影 撮影モードのユーザーインターフェースは工夫されていて、画面中央に見える正方形の枠に対して、垂直方向と水平方向のグリッド線がちょうど合うようにiPhoneの位置を調整します。これがピッタリ重なると、線が緑色に変わり、自動的に3秒のカウントダウンが始まります。位置を固定して3秒間持ち続ければ、写真のシャッターが下りて、無事、1ショット目が完了となります。その後、画面に右に回るよう指示が出るので、iPhoneを右に90度向けて、先ほどと同様に位置合わせを行ない、撮影します。このようにして、右回りで4回撮影が終われば、終了です。 Step3 : アップロードと合成 あとは、アプリからアップロードするだけです。4枚の写真をつなぎ合わせて1枚のパノラマ写真に合成する処理はPixeetのサーバー上で実行しているようで、ネットワーク環境が必要になります。3G回線ではちょくちょくエラーメッセージが出ているので、WiFi環境のほうが安定していて良さそうです。3~4分ほど待つと、自動的にpixeet.com上にページが生成され、そこにキューブ変換後のパノラマ写真を見ることができるようになります。もちろん、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア上での共有も可能です。尚、より詳細な操作方法はこちらのヘルプページにまとまっています。 完成したパノラマ写真はこんな感じです。 なかなかきれいに撮れてますねー。次回の後編では、異なる方法で撮影したパノラマ写真との画質比較や、実ビジネスでの活用アイディアについてまとめてみたいと思います!

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2016.02.01

ワンショット・360°パノラマ撮影専用デバイス GIROCAM

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PanoPlazaでは通常一眼レフカメラと魚眼レンズを使って撮影した写真を合成することで360°パノラマ写真を制作していますが、パノラマ写真の撮影には様々な方法があります。当サイトでも、「パノラマ写真の作り方」と題して、普通のデジカメで撮った写真をWebアプリで合成したり、iPhoneで撮影する手法をご紹介しています。しかし、普通のカメラで撮影した写真を合成する手順は割と手間ひまのかかる作業になりますし、iPhoneアプリを使った撮影では思うような画質が出ません。PanoPlazaへの問い合わせでも、お客様ご自身がパノラマを撮影し、バーチャルツアーを更新していきたいというお話を聞くことがあります。そういったニーズに応えるべく、360°パノラマ写真を手軽に簡単に、しかも高画質で撮影することができる、「パノラマ撮影専用デバイス」というものが世間にはいくつかあります。今日はそういったデバイスの一つである「GIROCAM」のご紹介と、魚眼レンズ+一眼レフで撮ったパノラマ写真との比較について書いてみたいと思います。 ボタン一つで360°パノラマが撮れるGIROCAM 「GIROCAM」は、フランスのGIROPTIC社が生産しているデバイスで、同じくフランスのKolor社から販売されています。Kolor社はパノラマ写真のスティッチング(合成)ソフトやバーチャルツアー制作のためのアプリケーションを開発・販売しており、この分野では大きなシェアを持っています。GIROCAMにはKolor社のソフトウェアが組み込まれ、ワンショットでの撮影からパノラマ合成までを、このデバイスと専用のソフトウェアで行います。撮影はとても簡単で、GIROCAMを三脚の上に固定し、ボタンを押すだけ。撮影の前にいくつかカメラの設定を行うことができますが、基本的に撮影時の操作はボタンを押すだけです。ボタンを押すと、10秒からカウントダウンが始まるので、撮影者は急いで隠れます。GIROCAMは全方位を一気に撮影するので、「カメラの後ろ側に隠れる」ということができません。撮影が終了するまでの時間は約1分程度ですが、その間はカメラが見えない位置に身を潜めます。撮影が終了すると「シュワワワビュワー」という近未来的な電子音が鳴り、撮影完了を知らせてくれます。 GIROCAMで撮影したパノラマ写真 上記がGIROCAMで撮影したサンプルです(クリックすると大きな画像が表示されます)。撮影後の操作も非常に簡単で、デバイスをUSBケーブルでPCにつなぎ、専用のソフトウェアから画像データを開くだけで合成が始まります。約1分くらいで合成が完了し、JPG形式のパノラマ写真が仕上がります。 ※本来はパノラマ下部に画角に収まらない範囲が黒く塗りつぶされた状態で仕上がりますが、上記サンプルはその部分をトリミングしてあります。 続いてこちらはまったく同じ場所から一眼レフ+魚眼レンズで撮影したものです(クリックすると大きな画像が表示されます)。同じ範囲をトリミングしてあります。一見すると、画質がどうというよりも、色相がだいぶ違いますね。。撮影した時あたりは薄暗く曇っていたので、実際の現場に近いのは「一眼レフ+魚眼レンズ」で撮影した方です。GIROCAM側の設定で、この「色味」の違いはある程度補正できると思います。 画像を大きなサイズで見てみると、GIROCAMで撮影した方は若干、つなぎ目がズレている部分があります(GIROCAMは3つの魚眼レンズで同時撮影しているため)。全体的に少しノイズが入っており、モヤついた印象が否めません。また、「一眼レフ+魚眼レンズ」の場合は角度を分けて撮影するため、周囲の人や車が映り込むのをある程度防ぐことができます。その向きに人が居ない瞬間を狙ったり、合成の過程で切り取る事もできます。一方GIROCAMのワンショット撮影では、1度の撮影で全方位を撮るため、人や車が入った場合に修正しようがありません。今回はちょうど通りかかった方が映り込んでしまいました。。 パノラマデバイスは今後も進化するか? 「一眼レフ+魚眼レンズ」で正攻法的に撮影したパノラマ写真と結果だけを比較すると、当然ワンショット・デバイスの画質は劣ります。そのため時間や環境が許す限り、正攻法の撮影がベストなのですが、GIROCAMの魅力はその手軽さです。三脚とデバイスさえあれば、撮影時に考える事はほとんどありません。どこに露出を合わせたら良いかとか、カメラの設定を気にする必要は一切なく、たった1分程で撮影が終わってしまいます。これだけ簡単に撮影ができて、その上画質もそこそこに仕上がります。画質にそこまでこだわりが無い場合や、短時間で大量の撮影を行う時などには、非常に有効なソリューションだと思います。 パノラマ写真の撮影やパノラマコンテンツが徐々に増えてこそいるものの、なかなか火がつかないのには、パノラマ撮影の難易度に原因の一端があると私たちは感じています。もっと手軽に、キレイなパノラマ写真が撮れれば、利用者はもっともっと増えるでしょう。iPhone5にもパノラマ写真の撮影機能が搭載され、スマートフォンでパノラマを撮影するという技術は確立されつつあります。一方、スマートフォンの画質では物足りないというユーザーをターゲットに、「GIROCAM」のような専用デバイスが活用され、より新しい技術や製品が提供されることを期待しています。 追記: 当記事執筆前後に、仏Kolor社は当記事でご紹介させて頂いた「GIROCAM」の取扱いを中止すると発表しました。詳細はこちらに記載されています。これにより、これまでKolor社によって提供されていたGIROCAMハードウェア本体のテクニカルサポートが打ち切りとなります。GIROCAMに同梱されているソフトウェアについては、引き続きKolor社でのサポートが継続されるようです。ご購入をお考えの方は、充分ご検討下さい。

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