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2015年のVRデバイスの振り返りと2016年の展望

2015
12

2015年はイベント等でOculusGearVRなどのHMDを使用したVRコンテンツを見かける機会が多くなってきました。更に2016年には、Oculus Rift製品版の発売が第1四半期に予定されています。また、SonyのPlayStation VRやHTCのViveも発売が予定されており、ゲーム業界を筆頭にVRコンテンツやVR体験がより普及していくと予想されます。

2015年12月現在のVRデバイスなどについて振り返りつつ、2016年にリリースが予定されているデバイスなどについて整理したいと思います。

HMD

まずはHMDに関してです。2015年には、Samsung Gear VRが発売され、ワイヤレスでOculus Rift DK2相当の解像度と臨場感を体験できるHMDが登場しました。現在、イベント等で使用されている高性能HMDはこのGear VRとOculus Rift DK2の2製品がメインとなっています。しかし、これら2製品はハイエンドPCや専用スマホが必要となり、一般消費者には敷居が高いものとなっています。そのため、一般の方々がVRを楽しむデバイスとして、より簡易的な段ボール製のペーパービューワーがあります。ハコスコGoogle Cardboard,メガハウスのBotsnewなどが対象商品で、あらゆるスマホをペーパービューワーに搭載する事ができ、購入コストも安く最も手軽にVR体験を楽しむ事ができます。最近では、NewYork Timesが Googleと連携して、購読者を対象にGoogle Cardboardを無償配布し、ドキュメンタリー映像を提供したりしています。

一方の高性能HMDは、閲覧するための環境が必要になりますが、体験できる臨場感はペーパービューワーでは味わう事ができないほど大きいものとなります。

左側:Oculus Rift DK2、右側:Gear VR

2016年は前述の通り、PlayStation VRを始めとする一般消費者向けの高性能HMDが多数発売される予定です。2016年第1四半期に発売が予定されているOculus Rift製品版はXbox Oneコントローラーを同梱し、Windows10経由でXbox Oneのゲームをストリーミングプレイできる可能性があります。また、Oculus Rift製品版やPlayStation VRよりも早く投入が見込まれているのがHTCのViveです。ViveはValveという米国のコンピュータゲーム製作及び他社多数のゲーム配信している会社が設計し、台湾のHTCが製造しています。Viveはゲーム配信プラットフォームSteamVRでVR体験する事ができます。装着者は360度の空間を動き回る事ができ、より没入感をもったVR体験をする事ができそうです。

カメラ

現在、パノラマ動画撮影が可能なカメラは様々なものが出ています。弊社のブログで何度か取り上げていますが、最も一般消費者が目にしているのはTheta Sではないでしょうか。家電量販店などでも大々的に展示されています。ボタン一つで水平・垂直360度のパノラマ動画撮影が可能で、前世代のTheta m15より画質が向上し、最長撮影可能時間も25分と長時間撮影が可能になりました。その他のパノラマ動画カメラとしては、Kodak SP360 4KEntaniya Fisheye 280などがあります。SP360 4Kは1台で水平方向360度・垂直方向235度の範囲を撮影でき、800万画素の映像を記録する事ができます。来年1月に発売が予定されている専用マウントにSP360 4Kを2台取り付ける事で水平・垂直共に360度の範囲を撮影できる様になります。また、Entaniya Fisheye 280はGopro Hero3+又はHero4に専用魚眼レンズを取り付ける事で水平方向360度・垂直方向280度の範囲を撮影する事ができるカメラです。

左側:Entaniya Fisheye 280、中央:Theta S、右側:Kodak SP360 4K

2016年は、VR映像製作向けカメラやライブストリーミングに特化したプロ向け高性能VRカメラがリリース予定となっています。Lytro社が開発中のVR映像制作用カメラ「Immerge」は、ライトフィールド写真という技術が採用されており、撮影した後に自分の好きなところに焦点を合わせる事が可能なVRカメラです。そのためHMDを用いて閲覧すると、ユーザーは手前から遠景まである一定範囲のVR空間を動き回る事が可能となります。

また、Nokia社はライブストリーミングに特化したVRカメラ「OZO」を開発中です。OZOは8つのカメラが内蔵されていて、立体的な3D映像を撮影する事が可能なVRカメラです。詳しい仕様については今後、徐々に公開されていくものと思われます。

コンテンツ

VRコンテンツも様々なものがリリースされています。その中でも特に話題となったコンテンツについて振り返ってみたいと思います。

映画「スター・ウォーズ」や「ジュラシック・ワールド」などの特殊効果を手がける「インダストリアル・ライト&マジック(ILM)」が親会社の「ルーカスフィルム」と共に、VR/ARを含むインタラクティブな経験を提供する「ILM Experience Lab(ILMxLAB)」を設立しました。ILMxLABはシリーズ最新作の「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の公開に合わせて、映画の冒頭へとつながるストーリー自立てのVRコンテンツを無料配信しました。このコンテンツは、iPhoneやAndroid上で公式の「スター・ウォーズ」アプリを使う事で閲覧する事ができます。

最後に、2015年はYouTubeやFacebookなど既存の動画配信プラットフォームやSNSでも360度動画の対応が進みました。
YouTubeやFacebookが対応した事により、360度動画に触れる機会が多くなる事が予想され、2016年は更に360度動画コンテンツやVR体験に注目が集まりそうです。

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