RESEARCH

Trusted Inter-Reality基盤

概要

Trusted Inter-Reality基盤概要図

VISION

異なる様々な現実に生きる人々が安心・安全に、楽しく交流し、わかりあえる世界の実現

MISSION

 情報技術は、我々の現実(Reality=人生の価値観を置く場所)を物質空間からサイバーな仮想空間へと拡張してきました。近年では、人間の五感とより直結する高度なVirtual Reality(VR)技術が次々と登場し、新たな産業の創造も期待されています。一方、その高い没入体験と引き換えに、常時装着するVR機器を通じた生体・環境情報に関するセキュリティ・プライバシーリスクや、肉体・精神への侵襲的な攻撃手法の登場も懸念されています。 本研究では、様々な物質・仮想空間及びそこに存在する主体からなる多様な形態のRealityを構築し、その安心・安全な統合を実現する情報基盤技術の確立を目的としています。 本研究ではまず、拡張されたRealityにおける空間の性質、利用主体の属性等を考慮した、新たなトラスト基盤に対する要件を、多様なモダリティのReality構築・接続技術の研究開発を通じ明らかにします。その際、空間及び利用主体の同一性保証、認証、動的かつ対象粒度を適用的に変化させる暗号手法など、情報セキュリティの視点の拡張のみならず、ウェアラブルデバイス(注2)等を通じた肉体・精神の侵襲性による影響と脅威を医学的に検証し、実際の利用・運用形態を想定した人間中心のユーザブルセキュリティ技術(注3)を備える情報基盤を設計します。各研究項目を統合した基盤を「Trusted Inter-Reality基盤」と名付け、国内外の実証実験を通じ、その利便性、安全性と可用性の評価を目指しています。

注1)トラスト原則:従来の3つのセキュリティ要素CIA(Confidentiality、Integrity、Availability)を拡張したCCA(Confidentiality、Consistency、Availability)をInter-Realityにおけるトラストの原則と置いたもの。

注2)ウェアラブルデバイス: 人間の体に装着し、5感に刺激を与えるデバイス。視聴覚の没入性を高めるVRゴーグルや、皮膚感覚フィードバックを与えるハプティックデバイス等が含まれる。

注3)ユーザブルセキュリティ技術: ユーザの負担が軽いなどユーザにとって身近で使いやすいといった高いユーザビリティを持っているセキュリティ技術。

プロジェクト研究概要

プロジェクト名

JST CREST「基礎理論とシステム基盤技術の融合によるSociety 5.0のための基盤ソフトウェアの創出」

研究課題名

多様な形態の現実を安心・安全に創り・繋ぐTrusted Inter-Reality基盤

研究体制

研究代表: 米澤拓郎(名古屋大学)
主たる共同研究者: 金岡晃(東邦大学), 青木崇行(カディンチェ株式会社), 塚田学(東京大学)

研究期間

2022~2028年度の5.5年間

研究開発項目と担当

名古屋大学グループ

  • 研究統括
  • 安心・安全なReality接続のためのマルチモーダルなReality Connector技術
  • Inter-Reality基盤統合

東京大学グループ

  • 空間管理者・利用主体の多様性を考慮したセキュアで階層的な実質空間構築技術
  • ユーザ保護を考慮したスケーラブルなReality Twinサーバ基盤の構築

東邦大学グループ

  • 利用主体保証技術による整合性確認技術
  • 動的な空間暗号化による機密性の保持

カディンチェグループ

  • 医学的安全性を考慮したInter-Realityフィードバック技術の開発
  • Inter-Realityサービス開発・実証実験

関連

プロジェクトサイト

https://www.internet-of-realities.org/