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Pixotope、GhostFrame、LEDウォールを用いたマルチカメラ同時撮影対応バーチャルプロダクションシステムの検証 

2023
11

 一般的には、InCameraVFXではカメラの画角に合わせてLEDにリアルタイムレンダリングした映像の表示を行うため、カメラは1台の運用なのですが、2台以上のカメラでの同時撮影が可能な技術が出始めており、撮影や配信で利用され始めています。

 カディンチェ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:青木崇行)では三友株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤森基成)、アークベンチャーズ株式会社(本社:東京都江東区、COO:谷川 真也)にご協力いただき、複数台のカメラを利用したInCameraVFXの場合のPixotopeの動作検証を行いました。

◆InCameraVFXでの複数台のカメラ運用について

 カメラのシャッターを切るタイミングとLEDに表示する映像のタイミングを合わせることで、それぞれのカメラの映像にはそのカメラに合わせたLED映像しか映らないようにタイミングを調整することで、一つのLEDでも複数台のカメラで撮影が可能です。

            複数台のInCameraVFXの基本的な考え方

 今回、ハードウェアとしては、ROE Visual社のLEDパネルとMegapixel VR HELIOS® LEDプロセッサー(HELIOS8K)の組み合わせで実現する、GhostFrameで動作確認を行いました。

GhostFrameは1フレームの中で、カメラのシャッターのタイミングに合わせてLEDにレンダリングを行うことが可能で、最大4台のカメラでの撮影に対応していますが、今回は2台のカメラでテストを行いました。
機材構成は以下になります。

 GhostFrameに必要な機材以外としては、グローバルシャッターに対応したカメラ2台、トラッキングにはRedSpyとHTC VIVE Trackerを利用しました。

 今回の検証では、場所の関係から、RedSpyのマップには大きいシートに反射シールを貼り付けて簡易マップを作成してトラッキングを行いました。
スタジオ以外では初めての運用でしたが、こちらも大きな問題はなくトラッキングが行えました。

◆テスト撮影したコンテンツ

動作検証としては、Pixotopeならではの問題は特になく、Helios8Kの設定とSync Generatorのタイミング調整だけで2台の運用の確認が出来ました。
動作確認として、3種類の撮影テストを行いました。

①最も一般的な利用方法として、一つのシーンを画角を変えて2台で撮影を行いました。2台で撮影することで、自由に編集が可能です。
今回は簡易的な撮影のため、CGのタイミング調整などは行っていないのですが、実際の撮影ではPixotopeの設定でServer-Clientの設定と、アニメーションの同期を取ってシーン作成を行うなど、細かい調整が必要になります。

②2台のカメラで、全く違う背景アセットを表示することも出来るため、一度の役者の演技により、二つの違う背景を撮影するテストを行いました。1回の撮影で、シームレスにカメラの切り替えが可能でした。

③1台のカメラでもシャッタータイミングの調整を行えば、フレーム毎に違う映像の切り替えが出来ることから、LEDの背景をCGとグリーンバックとに切り替えて撮影を行いました。ワンカットでInCameraVFXの映像と、グリーンバックの映像が同時に撮影が可能です。

 早い動きを検証するため、手を振るシーンとして撮影したのですが、撮影時は59.94pで撮影をし、撮影した映像から1フレーム毎に書き出しを行い、それそれ29.97pの映像としてレンダリングを行いました。手のように、動きが早い部分は1フレームの差が出てしまうのですが、動きの落ち着いたカットであればほぼ同じ映像が撮影出来そうです。

 今回、Pixotopeを利用してGhostFrameの動作検証を行いました。
GhostFrame自体のシステム的な安定性は高く、Pixotopeでも問題なく撮影が出来ました。複数台での撮影だけでなく、1台でも利用できる可能性があることも分かりました。
カディンチェ株式会社では引き続き、Pixotopeの販売やコンサルティングを行っていきます。 

検証協力:
三友株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤森基成)
https://www.mitomo.co.jp/
アークベンチャーズ株式会社(本社:東京都江東区、COO:谷川 真也)
https://www.ark.ventures/

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