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再開発で失われる武蔵小山の飲屋街をバーチャル保存

2013
12

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注目の街 武蔵小山

JR目黒駅から目黒線に乗り換えて2駅目の武蔵小山駅。800mを超える「日本最大の商店街パルム」が有名で、交通の便も良く、この数年の間に人気が急上昇した街です。武蔵小山駅前を走る都道を北西に辿れば、おしゃれな家具屋が建ち並ぶ目黒通りを越え、学芸大学に着きます。北東の目黒駅寄りにはお隣の不動前。こぢんまりとして可愛らしい駅前の雰囲気や住み易さから、これまた人気の街です。南東には昔の面影が残る情緒豊かな戸越、荏原といった街が、南西には学生の街・大岡山、その先には自由が丘。武蔵小山は、東京の城南地区で最近話題に上ることが多い注目の駅・街の、まさに真ん中にあります。


武蔵小山に残る昭和

Kadinche(カディンチェ)がこの辺りにオフィスを構えてから早や4年。活気ある商店街や、新旧が入り交じった街の雰囲気をとても気に入っています。僕たちがここに引っ越したときには駅舎は既に地下化されていましたが、駅舎の上や駅前のビルが完成したり、大きなマンションがいくつか竣工するなど、この4年間の間にも街の風景は少しずつ変わり続けています。そんな変化の中、駅の目の前に、そこだけ昭和の時代からそのまま取り残されたような一角がありました。駅前から見てパルム商店街の左側にある区域がそれで、古い時代の風景を色濃く残す路地裏に、スナックや喫茶店、飲み屋が所狭しと並んでいます。僕らもよくここにお酒を飲みに来ましたが、この辺りに住んでいる人であれば、この場所の雰囲気が好きで、何件かの行きつけのお店がある人も多いのではないかと思います。昼間は閑散としていますが、夕方になると仕事帰りの会社員や地元の人が訪れ、昭和的な看板やネオンと街灯とが相まってノスタルジックなムードを醸し出します。


そんなこの一角が、品川区の都市再開発事業の一環で、2014年度中にはその姿を消してしまうことになりました。計画では2014年に解体工事を開始、2015年度中に本格的な工事が始まり、2018年度の完成を目指す予定だそうです。新しく建てられるのは39階建てのタワーマンション。商店街沿いはもちろん、低層階には店舗や生活支援施設が入ります。となると、この「昭和的なノスタルジック飲み屋街」を楽しめる時間も残りあとわずか。年内にも一度また飲みに寄ってみようかと考える一方、この風景を「360°パノラマ・バーチャルツアー」として残しておこうという気になりました。失われて行く風景のバーチャル保存です。低気圧が関東一帯を覆う底冷えのする金曜日の昼、一寸除いた陽光を逃さず、現地の撮影に出動しました。

360°パノラマバーチャルツアーで武蔵小山の風景を記録


パノラマ画面右上のボタンからマップが開き、場所を選ぶ事ができます。やっぱり日中だと少しさみしいですね。夜はもっと雰囲気が出るのですが。

街の再開発というと、駅や商店街がキレイになったり、地域経済の活性化につながったり、道路や設備が整備されて生活が便利になるので、その場所に住む人はもちろん、そこに訪れる人にとっても様々なメリットがあります。ただ一方で、失われるもの、亡くなってしまうものがあるのも確かで、昔からある場所が姿を消して行くのは少し寂しい気持ちもします。代官山の猿楽町アパートや、表参道の同潤会青山アパート、最近では下北沢駅周辺の再開発が話題となりましたが、ひとつひとつ東京の街から消えて行く風景を、惜しむ声は絶えません。360°パノラマ写真の歴史は古く、写真機の黎明期から種々の技術的取り組みが繰り返され、近代では風景記録や様々な測量の補助データとして活用されたといいます。パノラマコンテンツが今のように高解像度に、全天球で表現できるようになった今だからこそ、こうして「失われて行く風景」の記録・保存に、改めてパノラマ写真やバーチャルツアーが役に立てないかと考えています。

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様々な定義がされていますが、一言でいうと、「デジタル世界と現実世界のより深い融合」と言えるでしょう。

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